EMS戦略ガイド
EMS活用A to Z
【台湾】 EMS/ODMの低コスト生産、自社開発とリサイクル技術の推進が成長の柱
アウトソーシング利用の決断:やりますか? それとも やめときますか?
ODM(Original design manufacturers)とEMS
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3 MAセンサの測定原理について
1.レーザ方式
当社では、これまで非接触ではんだの体積を測定する方法として、レーザ光を利用した三角測量変位計測を採用してきた。三角測量方式では、各画素が高さの情報から成る距離画像を得ることができる。この距離画像は印刷されたはんだの3次元形状データであり、画像処理によりはんだの体積を算出している4)。レーザ方式は測定に使うレーザビームを細く絞り照射しているため、空間分解能の高い測定が可能である。また、各々のセンサはトレーサビリティ体系による校正を行っているため、はんだ体積の絶対値を正確に測定することができる。MAセンサには2種類の光学系が組み込まれているが、それぞれには以下のような役割がある。
(1)正反射受光方式
正反射受光方式は、測定光を斜めから入射して、正反射光を受光する方式である2)。受光素子にはPSD(Position Sensitive Detector)を使用しているため、超高速データサンプリングが可能で高速タクトを実現している。また、変位情報と光量情報を得られるため、光沢のあるレジスト面と光が散乱するはんだの光量情報を用いて判別する機能や、レジスト基準にした場合のレジスト面の変位情報を得ることができる。
(2)散乱受光方式
散乱受光方式は、プリント基板に対して垂直にレーザ光を入射し、散乱光を捉える方式である。散乱受光方式は、はんだのように光が散乱する対象物の測定に適している。また、投光レーザ光の両側に受光系を設けたことにより、陰(シェイド)の発生がなく、はんだ形状を忠実に描画することができる。
2.MA(マルチアングル)センサ
今回、新しく開発したMA(マルチアングル)センサは、上記2つの独立した方式が1つのセンサに内蔵されたハイブリッド三角測量方式(正反射受光方式+散乱受光方式)である(図5)。それぞれ正反射受光と散乱受光を専用の光学系で測定するため、プリント基板内に存在するレジスト面、パッド面、シルク面、はんだ、露出した基材などを部位ごとに正確に自動判別し、基準面を自動認識することが可能である。これにより、基準面のティーチングやレジスト厚測定のような準備が不要となる。また、絶対値、繰返し性および方向性が良好な測定が可能で、繰返し性1%以下、基板を回転しても1.5%以下という高精度を実現している(オプションのゲージ測定時)。
3.パッド基準の実現
MAセンサのハイブリッド光学系では、従来のレジスト基準に加え、パッド基準でのはんだ測定が可能となった(特許出願中)。レジスト基準では、斜めに投光した光で光沢のあるレジスト面を正反射受光により変位を捉える(図6(a))。一方、パッド基準の場合は、パッドが露出した部分はそのままパッド面の変位を測定する。また、パッド上にレジストがある場合は、垂直投光によりレジスト面を透過し、レジスト下のパッド面変位を測定する(図6(b))。これによりレジスト厚の影響を受けずにパッド面を基準とした測定を実現した。
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