ODM(Original design manufacturers)とEMS

ODMでは設計段階から自社で開発を行い、その製造を行います。これら商品はOEMのブランド名にて発売されています。通常、ODMはどのような製品を開発・製造するかを自社にて決定し、OEM企業に製品として販売されます。一般的に、これら製品の知的所有権もODM企業に属することが殆どです。

ODM企業は現時点では、まだ高付加価値で利益率の高いマーケット、例えば通信、ネットワーク、航空宇宙産業、軍需、医療、半導体などの分野でマジョリティ(50%あるいはそれ以上)をとるまでには至っていません。
ODM事業にとって、ロケーションは必須条件ではないと思われるかもしれませんが、開発のみで考えた場合でもやはりある程度は地域による差はあると思われます。例えば優秀なIT技術者の確保が比較的楽なインドなど。しかしながら、現状を見るとODM企業は現在、ほぼ台湾企業に集約されています。例えばASUSTek, Inventec、Wistronなど。これらの工場はすでに中国に完全に移行されており、製造コストは他のEMS専門企業と同等になってきています。

現在、EMS専門でビジネスを行ってきた企業も、続々とODMビジネスに進出を図っています。これは、EMSビジネスの低マージン化が非常に顕著であり、製品開発まで含むODMビジネスの方がより高いマージンを得られることにほかなりません。加えて、顧客から見た場合、ODMからの製品供給に製造まで含めたパッケージに、より魅力があるからです。

多くの事例として、EMSがODM分野に進むこともあれば、同様にODMがEMS事業を取り組むことも多々見受けられます。しかしこれには設備投資の管理など複雑な問題も同様に抱えることとなります。
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