WISTRON 、92億NTDでLite-Onデジタルディスプレイ事業部門を買収
2008-04-30 14:17:08

ニュース内容:


WISTRON(緯創)は昨日(29日 )、92億NTDでLite-On Technology(光宝科)のデジタルディスプレイ事業部門を買収、積極的に事業拡大を進めると発表し市場からの注目を集めた。関係者の話によると、同社の本年度の売上高は4,000億NTDを上回る可能性があり、今年第3四半期にLite-On Technologyのデジタルディスプレイ事業部門と合併すると、同社の来年度の売上高は200億米ドルに届くことが期待される。

Lite-On Technologyは昨日、営業譲渡の形式で、約92億NTDでデジタルディスプレイ事業部門をWISTRONに譲渡した。同時にWISTRONの第三者割り当てに参与し、12億NTDを投資上限として、双方の戦略提携関係を強化すると発表した。Lite-On Technologyは、今後WISTRONのエクイティ比率を獲得し、その董事会に参入するかについては更なる検討が待たれている。



WISTRONも同様に昨日投資家向け説明会を開き、第1四半期の財務報告と配当政策を発表した。同社の本年度第1四半期の売上高は868億NTDで、昨年同期比で65%の成長となり、営業利益が16.87 億NTD、経常利益が21.17億NTD、税引き後の純利益が16.77億NTD、一株当たりの税引き後の純利益が1.21NTDとなったが、関係者が予測していた1.29NTDよりやや低くなった。

WISTRONは今回の買収の目的として、急速な事業規模拡大を掲げる他に、ノートPC、ディスプレイ及び液晶テレビ事業との相乗効果、パネルなど関連部品の交渉条件の強化を挙げている。

WISTRONの昨年度売上高は2,770億NTDで、百億米ドルに達しなかった。しかし関係者の予測によると、同社のノートPCの出荷数量は今年大幅成長となり、2,000万台の大台に挑戦する。さらにここ数年来進めている液晶テレビなどの商品多元化戦略による効果を加えて、今回の買収によって更に多くの顧客を引き寄せることが可能となる。

WISTRONの今年の売上高は容易に4,000億NTDを越えると予想される。デルなどの取引先のオーダー拡大を背景として、同社の来年の売上高は5,000億NTDを突破し、200億ドルに達することも期待される。

ノートPC受託生産の利益縮小の流れで、WISTRONは製品の多元化戦略に力を尽くしている。今回の買収後、来年はノートPC業務の売上高比率が6割前後まで低下すると予測されている。

その他に、WISTRONは昨日の董事会で6月25日に株主総会を開催することを決議した。また特定株主を対象とした第三者割り当て方式による増資を行い、2.4万株を上限として普通株を発行する計画である。Lite-On Technologyは既にこの第三者割り当ての特定対象に選定された。また普通株30万株を上限とした海外預託証券(DR=Depositary Receiptsの略)の発行を通じ、現金による増資も行う。


next 1 2 next