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【EMS/ODM】ノートPC 5社、米国向け出荷2週間停止をサプライチェーンに通知 台湾報道
2025-04-09 12:07:13
台湾の大手経済紙『工商時報』は2025年4月9日付で、米ヒューレット・パッカード(HP)、デル(Dell)、台湾ASUS(エイスース=華碩)、台湾エイサー(Acer=宏碁)、中国レノボ(Lenovo=聯想)の5社がサプライチェーンに対し、各生産拠点から米国に販売する製品(NB及びコンシューマ向け電子製品用部品)の出荷を2週間停止するよう要請する通知を出したと報じた。米トランプ政権が打ち出した相互関税が米国東部標準時間の9日未明(日本時間9日午前11時)に正式に発効するのを受けての措置だとした。


工商時報の伝えた台湾の業界筋は、コンシューマ向け電子製品業者の業績が25年4月、不調に陥る恐れがあると指摘。真っ先に影響を受けるのはNB、スマホ、ネットワーク通信機器のサプライヤーだと述べた。

この業界筋はさらに、「現在情報は錯綜している。米国税関国境保護局(CBP)のシステムはまだ完全に稼働していない。今は情勢の変化を静観するほかないが、今年の業績見通しについては、関連業者は保守的な見方を抱えている」と述べた。

工商時報によると、あるNB組立業者は、関税問題について顧客と再度、積極的に検討を進めると述べた。

工商時報は、受動部品(パッシブコンポーネント)、ワイヤーハーネス、光学部品等の部品業者が同紙に対し、現在の出荷状況は正常だと強調したと報じた。うち、ある受動部品業者は、「顧客の在庫積み上げは正常だ。当社は顧客と関税分担の問題について交渉していない。部品に属する受動部品は、主に顧客が米国に出荷するため、関税は顧客が協議して分担する。米国と直接商売をする受動部品業者は少ない。部品業者の多くが懸念しているのは、関税がリセッション(景気後退)を招くか否かだ」と述べた。

一方、サーバー用スライドレール業者は同紙に対し、顧客と関税の分担について交渉しているとした。ある業者は、「最終的には、端末、システム統合、サプライヤーの3者が共同で関税を分担する確率が高い」との見方を示した。

さらに同紙は、キーボードの台湾Chicony(群光)、Primax(致伸)、映像監視システムの台湾GeoVision(奇偶)は、顧客から出荷を一時停止するよう要請する通知を受けたと報じた。

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