経済日報が米テックメディア『The Information』等の報道を引用して伝えたところよると、アマゾンはクラウドの顧客に対し、米エヌビディア(Nvidia)のAI GPUではなく自社開発AIチップを搭載したサーバーとクラウドサービスを使用するよう促すことを目的に、価格を大幅に引き下げた。AWSは、エヌビディアのAI GPU「H100」に匹敵する計算能力を持ちながら、価格をH100の25%に抑えたTrainium搭載サーバーを提供しているという。
報道はまた、アップルが「Trainium」搭載サーバー・クラウドサービスの潜在的な顧客だとし、アマゾンのInferentiaやGravitonチップを検索サービスのサポートに利用している他、独自AIモデルの事前トレーニングに「Trainium2」チップの採用を検討しているとしている。
経済日報の伝えた台湾の市場関係者は、アマゾンの低価格戦略で恩恵を受ける台湾系AIサーバー受託製造業者として、ウィストロン(Wistron=緯創)と子会社Wiwynn(緯穎)、クアンタ(Quanta Computer=広達電脳)、インベンテック(Inventec=英業達)を挙げた。うち、ウィストロンはTrainiumプラットフォーム向けAIサーバーマザーボード(L6)の主要サプライヤー、Wiwynnはサーバーラックの組立・テスト及びシステム全体(L10、L11)の独占供給を担っているとした。
一方、経済日報の伝えたサーバー業界筋は、アマゾンの低価格戦略はAIチップ市場の価格競争の構造を変える可能性があり、サーバー全体の価格に値下がりの圧力をかけ、サプライチェーンやEMS・ODMにも大きな影響を与えるだろうと指摘。とりわけ、EMS・ODMでは、複数のチッププラットフォームに対応するための研究・開発費の増加という課題に直面する恐れがあるとの見方を示した。
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