【液晶パネル】スマホ用パネル世界出荷、2024年は前年比5.5%増 トップ5出荷統計 Sigmaintell調査
2025-02-19 11:14:28
調査会社Sigmaintell(群智諮詢)は2025年2月14日、スマートフォン用パネル(Open Cell)世界出荷が2024年、前年比5.5%増の22億3100万枚だったことを明らかにした。(=文末にスマホ用パネル、及びスマホ用有機EL<OLED>上位5社の出荷枚数・シェア一覧)
2024年についてSigmaintellは、24年下半期に入って中国を初めとする主要市場の需要に好転の兆しが見えたのを受け、ファーウェイ(Huawei=華為)等の中国系スマホ大手と米アップル(Apple)が年末商戦に向けた販促を積極的に行ったと指摘。一方、第8.6世代等、高い世代の生産ラインでスマホ用を量産化したパネルメーカー側は、値下げによる受注争いを強化したとした。その上で、これら状況を背景に、スマホ用パネル出荷は前年に引き続き、プラス成長を維持したと評した。
24年の技術別出荷では、アクティブマトリクス式有機EL(AMOLED)が8億5000万枚で前年から25.3%増の大幅な伸びを見せた。スマホ用パネル出荷全体に占める比率も38%に上がった。うち、フレキシブルAMOLEDは前年比19.2%増の約6億3300万枚、リジッドAMOLEDは同47.1%増の2億1700万枚だった。液晶のアモルファスシリコン(a-Si)は同7.2%増の12億300万枚に達した。これに対し、LTPS(低温ポリシリコン)は同43.0%減の1億7900万枚にとどまった。
24年の業者別出荷シェアでは、中国BOE(京東方)、韓国サムスンディスプレイ(Samsung Display)、中国HKC(恵科)の上位3社で計52.9%を占めた。トップ3のシェアは前年から1.8ポイント増加した。首位はBOEで、前年比2.5%増の5億7400万枚、シェアは同0.7ポイント減の25.8%だった。BOEについてSigmaintellは、液晶のa-Siが前年比5.4%増の3億9000万枚で前年から首位を守った他、Huawei(ファーウェイ=華為)をはじめとする中国系スマホのハイエンド用の供給強化で、フレキシブルOLED出荷も前年比23.9%増の1億4000万枚に上り、サムスンディスプレイに次ぐ世界2位を守ったと紹介した。
サムスンディスプレイについては、出荷の全量がAMOLEDだと指摘。うちリジッドが前年比66.9%増の約1億7000枚だったのに対し、フレキシブルは前年比12.7%減と落ち込みを見せたとした。
この他、韓国LGディスプレイ(LG Display)は、iPhone 16 Proシリーズ用LTPO OLEDの供給を順調に展開したのを背景に、前年比31.1%増の約7000万枚だった。
中国系業者のOLED出荷は計4億1000万枚で、前年比39.7%増の大幅な伸びを見せた。OLED世界出荷全体に中国系の占める比率も、前年比5ポイント増の48.3%に上った。
