DIGITIMESによると、米トランプ政権がTSMCに示した3つの選択技は(1)TSMCが米国に先進封止(パッケージ)工場を設立する、(2)TSMC等の大手企業が合弁でインテルのファウンドリ事業に出資、(3)TSMCの米国の顧客向け封止の注文を、インテルが引き受ける。具体的な内容は以下の通り。
(1)TSMCが米国に先進封止工場を設立
TSMCが直接、米国国内に先進封止拠点を建設し、ウェハー製造から先進封止まで一貫したサービスを提供する。DIGITIMESの伝えた台湾系半導体サプライチェーンは、TSMCはこれまで米国の封止工場建設にさほど意欲を示していないと指摘。人材不足、粗利益率の低さ、先進封止工場建設が米アムコー(Amkor)やインテル等、既存の米国系封止業者に悪影響を与える恐れがあることが理由だとした。
(2)TSMC等の大手企業が合弁でインテルのファウンドリ事業に出資
TSMCを含む複数の大手企業が、インテルの独立したファウンドリ事業に共同出資し、技術移転などを通じて協力する。
(3)TSMCの米国の顧客向け封止の注文を、インテルが引き受ける
TSMCの米国工場で製造したアップル(Apple)をはじめとする米国系顧客向け製品のパッケージを、インテルが直接手掛ける。サプライチェーンは、この選択肢は、既にインテルとTSMCの協力関係を強化することを目的にしているとの見方を示した。
DIGITIMESは、TSMCが24年10月にアムコーと協力覚書を締結し、アリゾナ州で先進封止サービスを提供する計画を進めているのに対し、インテルもニューメキシコ州にある先進封止施設への投資拡大や、3Dパッケージング技術「Foveros」の開発を進めていると紹介した。
TSMCの米国にある拠点と投資の先行きについて、レポートの伝えた半導体業界筋は、アリゾナ第2工場は事前の計画より前倒しされ、最速で2026年下半期に着工、2027年の量産化を予定しているとし、3nmの他、2nmを28年に導入する計画だと指摘。また、2nmより先進プロセスを導入する第3工場も、2030年までに量産化を開始する見込みだとした。
さらにこの業界筋は、TSMCがアリゾナ第4工場の投資計画についても米国政府と合意しているが、現時点での公表は時期尚早だと判断していると述べた。
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