『工商時報』等、複数の台湾メディアが2月13日付で報じた。それによると、フォックスコンの劉董事長は12日に開いた同社の新春開業式で、25年の展望やトランプ氏の関税政策等に言及した。
米トランプ大統領の打ち出した新たな関税政策の影響について劉氏は、同大統領がメキシコに課す予定の25%の関税を一時停止してはいるものの、同社では、関税政策の変動に応じて台湾、ベトナム、米国、メキシコにある生産拠点を柔軟に調整することでサーバー生産を行っていくと述べた。
劉氏は、「米国製造」を推進するトランプ大統領の政策に応じ、同社も米国各地でパートナーと連携した体制を整備中だとした他、グローバルなサプライチェーン管理能力を擁することから、全体に及ぼす影響は大きなものにはならないと強調した。一方で、目下最も懸念しているのは、新関税措置が世界的な景気悪化や市場の縮小を引き起こす恐れがあることだと述べた。
設備投資と新産業に対する投資について劉氏は、2025年は地政学的な影響に対応するための工場拡張の他、過去3~4年の積み重ねを経て拡大すべき段階に入った新産業への投資や新たな提携プロジェクトを予定していることから、設備投資は前年比で増加するとした。
中国の低価格生成AI(人工知能)ディープシーク(DeepSeek)の登場が及ぼす影響については、AIサーバーを購入するのはこれまで主にクラウドサービスプロバイダ(CSP)大手だったが、ディープシークの登場で中規模企業もAIサーバーを購入し、モデル開発に乗り出すようになるため、市場全体の発展やエッジAIの活性化に寄与すると指摘。その上で、目下、同社でもディープシークの応用について研究を始めたが、ディープシークとの直接的な提携はまだ検討していないとした。また、ディープシークの登場が、様々なLLM(大規模言語モデル)の出現を促す可能性があるとし、どのモデルが産業の主流になるかは今後の動向を注視する必要があるとの考えを示した。
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