【携帯】5Gスマホ買い替え需要低調でクアルコムがチップ3割値下げ 半年前倒しで価格戦到来
2020-01-16 10:43:53
米アップル(Apple)のウオッチャーとして著名な天風国際証券のアナリスト郭明錤(Ming-Chi Kuo)氏が最新レポートで、末端市場におけるハイエンド向け5G(第5世代移動通信)対応スマートフォンの買い替え需要が事前の予想を下回ったことを受け、携帯電話チップ最大手の米クアルコム(Qualcomm)が、ミドルレンジのスマホ向け5Gチップの価格を大幅に引き下げたとの見方を示した。その上で、主要な競合である台湾MediaTek(聯発科)にとっては5Gチップの価格戦が予想より3~6カ月前倒しで到来したことになると評した。


台湾の経済紙『工商時報』が2020年1月15日付で報じた。それによるとレポートで郭氏は、ハイエンド向け5Gスマホへの買い替え需要が、「Android(アンドロイド)」陣営各社の予想を下回っていると指摘。これを受けクアルコムが、5Gスマホの普及刺激に向け、ミドルレンジ向け5G SoC「Snapdragon 765・765M」価格を25〜30%下げ、40米ドルにしたとの見方を示した。

郭氏は、MediaTekが発表済みの5G SoC「Dimensity 1000」が、単価60~70米ドルだと紹介。その上で、クアルコムがこれを下回る値付けをしたことで、OPPO(欧珀)、Vivo(歩歩高)、Xiaomi(シャオミ=小米科技)の中国系スマホ大手3社が、早ければ20年2月にも、5Gチップ発注の一部、台数にして計2000万〜2500万台規模をMediaTekからクアルコムに移すとの見方を示した。

工商時報は、市場ではこれまで、MediaTekの5Gチップ粗利益率が40〜50%に上るものと見ていたが、郭氏は30~35%にとどまるとの見方を示したと紹介した。

一方で郭氏は、クアルコムのハイエンド向け5G SoCについて、同社が120~130米ドルの供給単価を維持するとの見方を示した。

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    【ソース:】TRI