【産業動向】台湾総統選で蔡氏再選、台湾財界要人ら「Uターン環境整備」等訴え
2020-01-13 12:12:56
台湾の総統選挙は2020年1月11日に投開票が行われ、現職で民進党の蔡英文氏が過去最高となる817万票の得票で再選、同時にあった立法会(国会に相当)選挙でも与党・民進党が過半数を占めた。


台湾紙『聯合報』(1月12日付)によると、台湾のパネル大手AUO(友達)の董事長で、業界団体、台北市電脳公会の理事長を務める彭双浪氏は、今回の選挙結果受け、台湾当局が今回の勝利を契機にして台湾企業がUターンしやすい環境の整備に努めることや、金融の管理を適度に開放し資金の流動を図ること等を提言した。

聯合報によると、AUOの彭董事長は、米中貿易戦争をきっかけに技術を携えて海外の拠点からUターンしようとする台湾系企業が直面している人手不足や水、電力、土地の不足の問題を政府が誠実に解決にあたり、安心して台湾に戻れる環境を整備するべきだと述べた。

さらに彭氏は、台湾の金融管理が現状、保守的に過ぎ資金の流動性を阻害しているとし、再選した蔡政権に適度な緩和を求めた。

一方、ノートPC(NB)のコンパル(Compal Electronics=仁宝電脳)、スマート家電のNew Kinpo(新金宝)等を傘下に置く台湾Kinpoグループ(金仁宝集団)の董事長で、台湾の財界団体、三三会理事長も務める許勝雄氏も、再選した蔡政権に対し、米中貿易戦争で少なくない台湾系企業や外資が台湾に工場を建設しているとし、新政権は投資環境の本格的な改善を進めるべきだと述べた。

さらに許氏は、新政権が外に出て行き、多くの国・地域と自由貿易協定(FTA)を結ぶとともに環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)への加入を勝ち取るべきだと述べた。

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    【ソース:】TRI