【携帯】華為スマホ販売、19年11〜12月に急減か TSMCは生産割当2割削減で自衛 台湾メディア
2020-01-08 12:35:43
中国のスマートフォン、通信機器大手Huawei(ファーウェイ=華為)が、2019年11、12月のスマホ出荷が急減したのを受け、半導体をはじめとする部材業者に対し、20年第1四半期の発注を当初予定から10〜15%減らすと通知したとの観測が、同社のサプライチェーンが集積する台湾の市場や業界に広まっている。さらに、ファウンドリ最大手の台湾TSMC(台積電)が、Huaweiのスマホ出荷急減を受け、20年にHuaweiに割り当てる予定だった生産能力を20%強減らすことを決め、これが、Huaweiが部材業者への発注を減らす決定につながる重要な要素になったとの見方も出ている。


台湾の週刊誌『今周刊』は20年1月6日付で、Huaweiが19年11月初頭、同社の携帯電話出荷が同年1~10月期に2億台の大台を突破したと表明した他、19年通年では2億7000万台に達するとの見通しを示したと紹介。ただ、同年11〜12月にかけて販売が急激に落ち込んだとし、同社の徐直軍・輪番董事長が19年12月31日付で送った社内メールで、19年の携帯電話出荷が2億4000万台にとどまったことを明らかにしたと報じた。さらに、徐董事長が、19年通年の売上高が前年比18%増の8500億元(1元=約15.5円)となり目標未達だった他、成長率も18年の19.5%に届かなかったと示した上で、20年も「難しい年になる。生き残りが優先業務になる」との認識を示したと伝えた。

その上で今周刊は、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)が最新レポートで、Huaweiのスマホ販売が減速していて、販売ルートに5000万~6000万台の在庫が積み上がっており、20年第1四半期の発注見通を当初予定から15~20%削減する旨、半導体サプライチェーン等に通知したとの見方を示したと報じた。

一方、経済日報(1月7日付)によると、香港CLSA証券アナリストの侯明孝氏は最新レポートで、Huawei傘下のIC設計業者HiSilicon(海思)のスマホ用チップ生産を手掛けているTSMCが、20年にHiSiliconに割り当てを予定していた7nm(ナノメートル)と5nmプロセスの生産能力を、合わせて20%削減したと指摘。米中貿易戦争で米国の圧力に晒されているHuaweiの状況や、Huaweiの過度な増産等を危惧してTSMCが自ら割り当ての削減を決めたものだとし、これがHuaweiとHiSiliconの発注調整につながったとの見方を示した。

CLSA証券はまた、Huaweiはスマホ用プリント基板(PCB)サプライヤーに対する20年第1四半期の発注見通しを10~20%引き下げた他、HiSiliconが同四半期のTSMCに対するスマホチップの生産投入を10~15%削減したとの見方を明らかにしている。

【関連情報】

【半導体】クアルコム、6nmでサムスン選択 価格と量産化でTSMCに先行を評価 台湾メディア
【EMS/ODM】台湾Kinpo、中国岳陽に華為用5G基地局設備の生産基地
【産業動向】米、対華為の禁輸条件を強化か 米由来10%未満に TSMCは7nm「セーフ」も14nm「アウト」
【産業動向】華為の部材調達先、韓国が米国抜き首位 2019年 韓国メディア報道
【半導体】TSMCの5nm、アップル・華為・AMDが争奪戦

中国・台湾市場調査ならEMSOneにご用命ください。台湾のシンクタンク、TRI社との共同調査にて、最新の情報をお届けいたします。 先ずはこちらまでご相談ください。

※EMSOneでは日系企業様に向け、コストダウンに向けた各種アウトソーシングサービスの提案を行っています。EMS或いはODMを通じたコストダウンについて はこちらをご覧ください。
    【ソース:】TRI