台湾の週刊誌『今周刊』は20年1月6日付で、Huaweiが19年11月初頭、同社の携帯電話出荷が同年1~10月期に2億台の大台を突破したと表明した他、19年通年では2億7000万台に達するとの見通しを示したと紹介。ただ、同年11〜12月にかけて販売が急激に落ち込んだとし、同社の徐直軍・輪番董事長が19年12月31日付で送った社内メールで、19年の携帯電話出荷が2億4000万台にとどまったことを明らかにしたと報じた。さらに、徐董事長が、19年通年の売上高が前年比18%増の8500億元(1元=約15.5円)となり目標未達だった他、成長率も18年の19.5%に届かなかったと示した上で、20年も「難しい年になる。生き残りが優先業務になる」との認識を示したと伝えた。
その上で今周刊は、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)が最新レポートで、Huaweiのスマホ販売が減速していて、販売ルートに5000万~6000万台の在庫が積み上がっており、20年第1四半期の発注見通を当初予定から15~20%削減する旨、半導体サプライチェーン等に通知したとの見方を示したと報じた。
一方、経済日報(1月7日付)によると、香港CLSA証券アナリストの侯明孝氏は最新レポートで、Huawei傘下のIC設計業者HiSilicon(海思)のスマホ用チップ生産を手掛けているTSMCが、20年にHiSiliconに割り当てを予定していた7nm(ナノメートル)と5nmプロセスの生産能力を、合わせて20%削減したと指摘。米中貿易戦争で米国の圧力に晒されているHuaweiの状況や、Huaweiの過度な増産等を危惧してTSMCが自ら割り当ての削減を決めたものだとし、これがHuaweiとHiSiliconの発注調整につながったとの見方を示した。
CLSA証券はまた、Huaweiはスマホ用プリント基板(PCB)サプライヤーに対する20年第1四半期の発注見通しを10~20%引き下げた他、HiSiliconが同四半期のTSMCに対するスマホチップの生産投入を10~15%削減したとの見方を明らかにしている。
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