調査会社DIGITIMES Researchが2020年1月6日付レポートで伝えた。DIGITIMESは、サムスン電子とLG電子(LG Electronics)の韓国系2社がベトナムに大規模な製造拠点を設けたことにより、ベトナムはスマホ産業の重要な集積地になりつつあると指摘。こうした中、地場のベトナム系企業の中に、自前の携帯電話を製造する動きが出始めているとした。
具体例としてDIGITIMESは、ベトナムのサムスンと呼ばれる複合企業ビングループ(Vingroup)が「Vsmart」というブランド名でスマホの開発・製造を展開していると紹介。同社がサムスンのベトナム工場に勤務経験のあるR&D人員やエンジニア、調達担当の元社員等を、サムスンで得ていた報酬の1.5倍を提示するとともに、住宅の提供などの厚遇で引き入れているとした。
この他レポートは、ビングループが、サムスンに部材を供給するためベトナムに生産拠点を設けている韓国系部品業者と供給交渉をしており、いくつかの業者が近く量産と出荷に入ると指摘。さらに、ビングループが韓国系業者の買収も視野に入れ、ある光学部品業者とは買収交渉を展開中だと伝えた。
DIGITIMESによると、ビングループは不動産、小売、ホテル、電子商取引、ヘルスケア、教育、農業、自動車生産等を手がける複合企業で、グループ全体の売上高は年50億~60億米ドルに上る。スマホ生産は2014年に設立したVinSmartが手がけており、Vsmartブランドで既に4モデルを展開。ハイフォン市のDinh Vu・Cat Hai経済特区に建設中の第2工場では通年1億2500万台のスマホを製造する予定で、第1工場と合わせ生産能力は1億5000万台になる見通しだという。
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