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【PC】 ASUSTek、東芝ノートPC部門買収を検討中
2009-11-17 13:42:28
2011年度に世界シェア3位を目指すASUSTekは、企業買収も含めたあらゆる戦略を駆使して目標達成に望む考えだ。工商時報の報道によると、同社董事長の施崇棠氏は「ASUSTekは東芝のノートPC部門を買収することを検討している」と明言した。両社の合併が現実となれば年間出荷量は3000万台規模に拡大し、LenovoやDellを脅かす存在に一躍躍り出るだろう。ノートPC産業の大再編も直ぐそこに迫りつつあるようだ。


2008年に勃発した金融危機の真っ直中、市場では東芝がノートPC部門を売却するという噂が飛び交っていた。その際、買収候補者として名前が挙がっていたのがASUSTekである。施崇棠氏は「確かに両社で接触を行っている」と明言し、「買収が成功するかどうかは現状では何ともいえない」と、その進捗については回答を避けている。

これまでASUSTekは自社の有機的な成長を是とし、研究開発能力の成長を糧にシェア拡大を進める戦略を採ってきた。しかし現在は「戦略的見地から企業買収も否定しない」と初めて口にし、更に「現段階で買収目標とする企業が存在している。東芝はその中の一社だ」と明言しているため、それなりの動きが水面下で進められていると見て間違いないだろう。



市場調査会社「Gartner」の統計によると、ASUSTekの2008年度ノートPC出荷量は1000万台強で世界シェア第6位、一方の東芝は1300万台で第4位となっている。また、2010年度の出荷目標についてASUSTekは1600万台を公言しており、仮に両社が合併すれば、東芝の出荷量(少なくとも1300万から1400万台)を併せた数量は3000万台を突破し、DellやLenovoを抜き去る可能性が一気に高まることになる。

実際、現在世界シェアで上位に君臨するHP、エイサー、Lenovoなどは何れも企業買収を通じてシェアの拡大を実現してきた。市場関係者の分析によるとASUSTekが2011年度に世界シェア3位を実現するためには、米国市場で少なくともシェア5位を獲得する必要があるという。しかし現状では同社の米国シェアは5%足らずの7位に甘んじており、東芝の持つ11%シェア(第4位)は非常に魅力的な存在となっている。

施崇棠氏は「買収はシェア拡大の最短距離だが、一時的な結果だけを追求しても合弁結果は失敗に終わる。買収は長期的な企業運営に関わるものであり、慎重に事を進める必要がある。社内での討論も必要で、プラス面とマイナス面の両面をきちんと議論する必要がある」と語っており、社内では活発な意見交換が進められていることを臭わせた。

電子産業ではフォックスコン(鴻海精密=Foxconn)グループの進撃が益々強まっており、液晶パネル、ノートPC、携帯電話など何れの産業もフォックスコンへの対抗策に追われる状況が続いている。産業界は徐々にフォックスコン陣営とそれ以外の戦いという構図に集約されつつあり、ノートPC産業も今後は大きな変化に包まれるだろう。

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【ソース:】TRI    【編集者:】Edward