こうした中、液晶パネル大手の
CMO(奇美電)は、パネル供給に加えて一部のアッセンブリーを含むCell Business(セル・ビジネス=半完成品供給)という手法で顧客へのサービス提供を進めている。同社は船井電機から半完成品の大量受注を獲得した模様で、2010年度の半完成品ビジネスは大幅に拡大する見通しだ。
情報によると、CMOが船井電機から獲得した半完成品納入量は、船井電機の年間出荷台数の80%を占める量に達するという。CMOは2009年3月末に経営陣の刷新を図っており、新体制の下で、目に見える効果が出始めたといえるだろう。
また、CMOは船井電機以外にも、
Hisense(海信)、
KONKA(康佳)といった中国系大手液晶TVメーカーとの間でも、半完成品納入をベースとした契約締結を目指している。CMOの王志超総経理が1日にロイターの取材に対して語ったところによると、同社の液晶パネルシェアは中国液晶TV市場で40%を獲得しているとしており、今後はこうしたパネル納入先に対して、より付加価値をつける形での提携関係拡大を目指している。
『船井電機への半完成品納入量、500万台超へ』
船井電機からの受注についてCMOの陳世賢財務長は、「個別の顧客に関する情報は開示できない。しかし当社にとって船井電機は重要顧客であり、今後も更に緊密な提携関係を続けていく」と表明している。また、半完成品事業について同氏は、「半完成品事業の拡大は当社の既定路線だ。これまで同事業による営業収益への貢献は10%足らずだったが、現在は完成品メーカーが次々と液晶モジュール生産を手がけるようになってきた。当社の経営モデルもより柔軟に変わってきており、今年第2四半期の半完成品事業は15%にまで拡大している」と語っている。
調査によると、CMOは既に2010年度に向けた半完成品受注を複数の大手企業から受注済みである。特に船井電機向けの出荷量は、同社の年間液晶TV販売量の80%に達する規模と見られている。仮に船井電機の2010年度液晶TV出荷量を620万台とすれば、CMOからの半完成品納入量は520万台に達する規模である。