移動通信連盟協会(GSM Association=GSMA)は先週バルセロナで開催された【GSMA Mobile World Congress 2009】で、ノキア、ボーダフォンなどの携帯電話メーカー及び移動通信事業者は携帯電話の充電に関しての標準を策定する。標準化に基づいた充電器は2012年1月1日に大半の携帯電話に対応することとなる。
こうした動きで最も影響を受けるのはどのメーカーであろう?Motorola関係者は、「Motorolaの新型携帯電話には標準化が予定されているmicro-USBが採用されている。しかし市場トップのノキアはこのようなコネクタ式充電方法を採用しておらず最も影響を受けるだろう」と指摘している。
GSMAは初歩的な計画としてmicro-USBを共通の充電インターフェイスと規定している。また、現時点で充電器標準化に賛同を示している国際通信業者は、Vodafone、AT&T、Telefonica、Telenor、Telstra、T-Mobile、3Group、KTF、mobikomaustria、TelecomItalia、Orangeとなっている。
一方、同じく賛同を示している携帯電話メーカー並びにチップセットメーカーは、ノキア、Motorola、サムスン、LG、ソニーエリクソン、クアルコムで、携帯電話世界シェア上位5社の何れもが含まれている。ただし、現時点では日系メーカーは含まれていない。
GSMAのRob Conway CEOは、「この計画は大量の資源浪費を効果的に削減することが可能となる」と語っている。毎年の充電器製造と輸送に関わる温室効果ガスの削減量は1360万~2180万トンに達すると予想されている。
これまで、携帯電話の充電器使用は各社各様で、同一メーカー品であってもモデルによっては使用出来ないことが多々あった。そのため、ユーザーは新たな携帯電話を買い替える度にこうした充電器も捨てていたのが実情である。
一方で、MP3やMP4製品ではデータケーブルが基本的に統一され、片側がUSB、もう一方がmicro-USB、というのが殆どだ。これは市場で自然発展的に統一されて形成された暗黙の標準規格ともいえる。
今回GSMAが提唱した単一の標準が各メーカーに採用されれば、ユーザーはコスト的にも大幅に安く調達することが可能となり、更に単一ケーブルで充電からデータのやりとりまで可能となるだろう。
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