台湾メディアの報道によると、中国は液晶パネル前工程生産を高めるため、台湾、日本、韓国の各パネルメーカーへの投資呼びかけを強める一方、新たに新世代パネル工場を行う企業に対して30億元(約420億円)の補助金を提供する方針を決めたとしている。
こうした中国による様々な優遇条件が提示される中、シャープは同社亀山第一工場(第6世代)の設備売却と生産技術提供を行う意向を示し、同様にLG ディスプレイは中国南部でより生産効率の高い7.5世代工場建設の意向を示している。
また、台湾の液晶パネル大手メーカーは、中国国内での工場建設には強い意向を持っているが、現時点では台湾政府の批准が下りないため動きが取れない状況となっている。
中国は世界最大のテレビ生産国で、年間の生産台数は3000万台以上、月当たりでは300万台規模に達している。これら生産台数にはCRTテレビも含まれているが、数年以内に殆どが液晶テレビ生産に移行すると予想される。このため、前工程の液晶パネル生産は中国にとって競争力を高める意味でも是が非でも導入したい技術の一つとなっている。
中国政府はこれまでも、台湾からのパネル投資を獲得するために政府補助金の提供、土地賃借、優遇税制などを含む様々な提案を繰り返してきた。しかし台湾では、中国に対するハイテク投資には様々な制限が存在し、こうした制限の見直しが延々として進まないことで中国政府は投資対象を日系、韓国系パネルメーカーにまで拡大することとなった。
日系パネルメーカー、特にシャープにとって今回の状況は中国市場に参入し大幅なシェア拡大を獲得する千載一遇のチャンスであるとともに、これを逃すと将来的なポジションは非常に厳しくなることが予想される。
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