台湾のASUSTeK(華碩)とGPS最大手メーカーのGarmin Internationalは戦略的提携の下、新ブランド『garmin-asus』を発足、同ブランド初となるスマートフォン『nuvifone G60』を発表した。
ASUSTeKの施崇棠董事長は4日、「現状、両社は【Virtual BU】として活動しているが合弁会社の設立は行ってない。但し、今後の展開によっては新会社の設立もあり得るだろう。両社は公平な立場で資産投資と利益配分を行い、来年にも利益獲得が達成できると予想している」と表明した。
施崇棠董事長とGarminの高民環董事長は昨日、両社の共同ブランド『garmin-asus』を発表した。また、2月16日からスペインのバルセロナで開催される「Mobile World Congress」において革新的なGPS機能LBS(Location Based Service)を内蔵した新型GPSスマートフォンを発表すると公表している。
ASUSTeKとGarminの提携は全世界の通信キャリアの注目を集めている。また、『garmin-asus』ブランドの携帯電話発売については米AT&Tとの交渉が始まっており、積極的に米国市場での販売を展開する予定だ。
施崇棠氏は、「ASUSTeKは台湾で唯一、3Gコア特許を有する携帯電話メーカーであり、また、GarminはGPS産業の世界最大手メーカーと、両社は技術の相互互換性を備えている。市場にはLBSサービスを提供する携帯電話は少なくないが、しかし本当に便利なサービスを提供しているものは皆無だ。これは我々に良いチャンスを与えるだろう」と語っている。
ASUSTeKとGarminは2年前に提携を開始した。Garminは「nuvifone」のソフトウエア及びハードウェアを設計し、無線(RF=Radio Frequency)部分の設計及び製造をASUSTeKが請け負っている。当初の計画では、両社の共同開発による携帯電話は昨年第3四半期に発売される予定だったが、これまで延期されてきた。
調査によると、ASUSTeKの携帯電話部門のスタッフ数は800人以上だが、今後はスタッフの精鋭化を進めていくとされている。また、Garminの米国ならびに台湾の開発要員は約500人に上っている。
昨年、ASUSTeKは主にロシア、東ヨーロッパ、アジア等の市場で合計50万台の携帯電話を販売しているが、Garminはこれまで携帯電話事業には取り組んでいなかった。今後両社は、お互いの主力市場でそれぞれ市場開拓を分担して行っていく模様だ。
なお、昨日のEMSOneニュースでもお伝えしたが、ASUSTekは「Foxconn」、「Best Buy」など、それぞれに強みを持つ企業との連携強化を続けている。事業や市場の異なる強者と組むことで、自社の強みを短期的に高めるだけでなく、提携相手の強みを自社事業に取り込む戦略だ。
【関連情報】
【スマートフォン】 Android携帯、今年10倍の成長 『HTC』業績大幅拡大
【台湾】 スマートフォン市場、大手各社が参入で競争激化
【スマートフォン】 『Blackberry Storm 9530』のコスト、202.89米ドル
【携帯電話】 ノキア、円高局面に際し日系企業からの部品調達削減へ
【スマートフォン】 HTC、GPS携帯『Touch Cruise』を発売
※過去ニュースの閲覧は会員登録が必要となります
EMSOne会員申し込みはこちらまで!
レポートを除く全てのコンテンツが2日間無料! 試用会員のお申し込みはこちらまで!
当日のニュースを毎日配信! メルマガ会員へのお申し込みはこちらまで!