ノートPC 業界関係者は、「最近の短納期発注は主に一般消費社向けノートPCが中心で、これまで在庫レベルの引き下げを進めてきた反動だ。今後はこれまでのような極端な在庫削減は減り、ノートPC産業も好転が期待出来る」と指摘した。
業界関係者によれば、ノートPCの短納期発注は昨年12月末からこれまで継続して続いているという。発注企業にはHP、
エイサー(ACER=宏碁)、Apple等が含まれ、大部分が一般消費者向けノートPCに集中している。ODM生産を請け負っている
クアンタ(Quanta Computer=広達電脳)、
コンパル(Compal Electronics=仁宝電脳)、
WISTRON(ウィストロン=緯創)、
INVENTEC(インベンテック=英業達)各社が短納期発注に追われている状況となっている。
市場関係者の間では、今年第1四半期のノートPC出荷量は前期比20%~30%減少するという予測が立てられているが、ノートPC業界関係者は「短納期発注が増えていることで、今年第1四半期のノートPC出荷量下落幅は前期比で20%前後となるだろう。当期は出荷閑散期にあたるが、市況は当初予想よりも良いと言える」と分析している。
SZSはノートPC用ヒンジ生産世界最大手で、55%のシェアを占めている。同社関係者は「確かに短納期発注が増えている。これまで、各社は在庫削減を第一に進めてきたことで発注計画について何も提示してこなかったが、最近になって突然受注が入り出している。しかも納期は3日~5日という要求だ」と語っている。
ノートPCの関連部品メーカーは「部品メーカー各社は不況の中、昨年11月から人員削減を実施してきた。短納期発注は非常にありがたいと同時に、人手不足の問題が出始めている。特に春節が迫っていることで一部の従業員は早めに休みを取っており、何とか人員と材料を確保しないと対応出来ない状況だ」と現在の状況を吐露している。
また、「SZSの昨年12月時点での1日あたり出荷量は20~30万台だったが、今年1月の出荷量は1日あたり40万台に達している。ただし、一月は出勤日が減ることで売上高は前月比で下落するだろう」と市場関係者は分析している。
ノートPC産業では昨年11月に大手メーカーが発注量を急激に削減した。特に大幅に削られたのはビジネスモデルと共に一般消費社向けだったが、クリスマスシーズンのノートPC販売量は当初予測よりも好結果となっている。また、今後はアジア地域では春節による需要上昇、4月の新学期シーズンなどの需要も見込めるため、各社は在庫レベルは徐々に高めてくることが予想される。
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